【医師の雑感】オンラインのダイエット処方をしていて思ったこと|薬だけで痩せるわけじゃない
最近では、オンラインでの医療ダイエットが増え、GLP-1製剤(リベルサスなど)やメトホルミンといったお薬が気軽に処方されるようになっています。
実際、私自身、他院でオンラインでダイエット処方に携わっていたことがあります。
けれど、あるときふと感じたことがあります。
「これは、薬が届いただけで終わってしまう人が多いのでは?」という違和感でした。
薬が届く=痩せる、ではない現実
もちろん、GLP-1製剤などは、医学的にもエビデンスのあるダイエット薬です。
ただ、それをどう使うか、どのタイミングで続けるか、切り替えるかを見極めないと、
・効果を感じる前にやめてしまう
・副作用が出て不安になってしまう
・日々の生活が全く変わらず結果も出ない
…といったケースが想像以上に多く見受けられました。
処方するだけで、変われる人は一部だけ
オンライン処方では、「先生、薬だけください」「食事は自分で気をつけます」とおっしゃる方も少なくありません。
もちろん、中には意識が高く、自力で整えていける方もいます。
でも、正直に言えば、そういう方はそもそも“薬なしでも痩せられる人”なんです。
多くの方は、
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食欲を抑えるだけでは足りない
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ストレスや生活リズムの乱れが根本にある
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代謝が落ちている背景にはホルモンや自律神経の問題がある
というように、“複合的な要因”が絡んでいます。
「一緒に見ていく」ことで初めて意味がある薬
薬は、魔法ではありません。
体のスイッチを“入れるきっかけ”にはなりますが、
どのスイッチを押すべきか?その押し方は?まで含めて考えないと、やっぱり続かないし、結果も出ません。
だからこそ私は、
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薬の選び方
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食事の考え方
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睡眠・メンタル・自律神経の整え方
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停滞期への対処法
など、その人にとって必要なポイントを、一緒に見つけながら整えていくことが大切だと考えるようになりました。
医療ダイエット=心と体の「整え直し」
痩せるというのは、見た目の話だけではありません。
・疲れにくくなる
・自信が持てるようになる
・体調が整い、将来の病気予防にもなる
そんなふうに、“今”と“未来”の両方を整えるきっかけになります。
だからこそ、薬は「使うもの」であって、「頼るもの」ではない。
そして、医師やチームは「処方するだけ」ではなく、「伴走する」存在であるべきだと思っています。
最後に:薬に期待している方へ、医師から伝えたいこと
薬はあなたをサポートする道具のひとつ。
でも、それをどう使いこなすかは、やっぱり“日々の過ごし方”と“正しい知識”が必要です。
あなたがこれまでに「ダイエットに失敗した」「続かなかった」と感じているなら、
それはあなたの意志が弱いのではなく、やり方が合っていなかっただけかもしれません。
だからこそ、一人でがんばるのではなく、
「整えて、変わっていく」ための道のりを、一緒に考えていけたらと思っています。
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