【医師監修】高濃度ビタミンC点滴の効果とは?がんサポートや美容目的にも注目される理由
こんにちは。
令樹クリニック院長のDr.Marikoです。
紫外線が強く、暑さで体力も奪われやすい夏。こんな時期こそ「高濃度ビタミンC点滴」が役立ちます。
今回は、近年再注目されている「高濃度ビタミンC点滴療法」について、医師の立場から科学的根拠とともにわかりやすくお伝えします。
◆ ビタミンCの点滴がなぜ注目されるのか?
通常、サプリメントなどで摂取されるビタミンCは「経口摂取」ですが、実は体内への吸収量には限界があります。
たとえば、ビタミンCを一度に2g以上摂取すると、多くの場合吸収されずに排出されてしまい、下痢などの副作用が出ることも。
そこで、静脈から直接投与することで、血中濃度を一気に高める方法が、高濃度ビタミンC点滴療法です。
◆ 高濃度ビタミンC点滴で期待される主な効果
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強力な抗酸化作用
→ 紫外線やストレスによる細胞のダメージを抑える。 -
美白・美肌サポート
→ メラニン生成を抑制し、透明感のある肌へ。 -
疲労回復・免疫力強化
→ 慢性疲労・感染症予防にも。 -
がんの補完療法としての可能性
→ 高濃度ビタミンCは、がん細胞に対して選択的な細胞傷害作用を持つ可能性があると報告されています。
◆ アイオワ大学の研究:75gの高濃度ビタミンCで延命効果も?
🔹1970年代:最初の注目
ノーベル賞を2度受賞したリナス・ポーリング博士と、スコットランドの外科医カメロン医師が、がん患者に高用量ビタミンC(10g以上)を投与して延命効果があったと報告。
一時的に注目を集めましたが、その後、アメリカ・メイヨークリニックが経口投与のみで行った追試で有効性が否定され、信頼性が疑問視されました。
2005年〜:再注目のきっかけ
転機となったのが、アメリカ国立衛生研究所(NIH)のマーク・レヴィン医師らによる研究です。
経口ではなく「静脈点滴で投与することに意味がある」
点滴でしか達成できない高濃度では、がん細胞だけを選択的に攻撃する作用が見られた。
2005年、レヴィン医師らの研究は米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載され、世界中の医療者に大きな衝撃を与えました。
◆ 「じゃあ飲めばいいの?」 → 経口摂取との違い
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経口摂取:吸収率に限界があり、1回2g以上で下痢リスクも。
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点滴投与:25g〜75gなど、桁違いの量を体に届けることができる。
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リポソーム型ビタミンCを併用することで、経口でも吸収率UPは可能。
▶ 結論:点滴と経口は「役割が違う」。併用することで効果が最大化されます。
◆ 紫外線の強い夏こそビタミンCを補いたい
特にこの時期、紫外線のダメージは蓄積されていきます。
日焼けやシミ対策、疲労感のリセット、夏バテ予防にも、体内からのビタミンC補給はおすすめです。
◆ 当院での高濃度ビタミンC点滴(初回は医師の診察あり)
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点滴量:10g(目的に応じて調整)
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所要時間:約30〜60分
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副作用チェックやG6PD検査(25グラム以上の方)も実施
▶ ご希望の方は事前に医師の診察が必要です。まずはお気軽にご相談ください。
◆ まとめ
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ビタミンCは経口だけでは限界あり → 点滴療法が効果的
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美容、免疫、がんサポートまで幅広く期待される
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医療機関での管理のもと、安心して受けられる療法です
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